看護師が求人情報を収集する際には、給与面だけでなく福利厚生も要チェックだ。福利厚生は、法定と法定外があることを把握しておこう。法定福利厚生は、労働組合法や労働基準法など、労働者の保護を目的とする法律に基づいて実施されている。例えば社会保険各法では、雇用主が社会保険料を一部支払うことを義務付けている。法令を無視し、法定福利厚生を行っていない医療機関は稀だ。
一方の法定外福利厚生は医療機関が独自で考案しており、経営方針が色濃く反映されている。法定外福利厚生の内容から、働きやすさを推測できるだろう。各種制度や手当てが充実している環境であれば、長期間にわたって安定的に働き続けることが可能だ。特に出産を望んでいる人、もしくは子育て中の夫婦は育児休暇制度や院内保育所の有無を確認することも欠かせない。医療機関の体制によっては育児と仕事が両立できず、多大な負担がのしかかる事態に陥りかねない。
なお、福利厚生は経営者が労働者の意向をないがしろにし、勝手に変更することは不可だ。無断で一方的に廃止した際には不利益変更の問題へと発展するため、特別な事情がない限り変更されない。ちなみに、福利厚生管理士を雇用している医療機関は、個々の労働者に配慮したうえで制度を明確にしている傾向がある。常日頃から福利厚生の問題点を調査し、改善策を講じているケースが多い。医療機関を希望する場合には、福利厚生管理士が勤務しているか否かを調べるのも一つの手だ。